ヒト脳波の発見の報告は1929年のHans Bergerによるものですが、彼の最初の発見から5年の歳月が必要であったように、当初は懐疑的な現象として研究者に受け止められていたようです。この「脳波」ですが、生体から記録される電気現象の多くは心電図、筋電図、眼電図のように「電図」となっています。最近の検査法で脳の磁気変動を計測する脳磁図も同様です。なぜ脳の電気現象だけ「脳電図」ではないのでしょうか?
日本で「脳波」という用語が使われるようになったのは、1943年に名古屋帝国大学の勝沼教授が提案してからだといわれており、当時の英語表記であったBrain Waveを訳したとされています。「図」ではなく「波」と表現したことで、大海の水を連想でき、その後のDC電位とか緩電位変動、高周波律動などを説明する際にも想像しやすい用語です。神秘的な脳から発生する電位を「波」とした素晴らしい発想で、勝沼教授の功績は大きいと思います。
英語表記では心電図はECG(Electro Cardio Gram)、筋電図はEMG(Electoro Myo Gram)、そして脳波はEEG(Electro EncephaloGram)とすべてGramと統一されています。しかし今でも一般的な用語としてBrain Waveと表記されることもあります。
脳は意識、無意識に関わらず様々な情報処理を絶えず行っており、その過程で発生する大きな電位変化を頭皮で計測したものが脳波です。この脳波は様々な領域で応用されており、医学的には脳波検査として基礎律動・突発性異常波・左右差・誘発反応を調べて脳機能の正常・異常を検査しています。また、高次な脳機能を研究するためにも応用されており、事象関連電位P300は認知機能の研究で、また事象関連周波数変化はBMI技術で応用されています。
これらの脳波は頭皮上でいわゆる非侵襲的に計測されますが、脳の開頭手術の時に脳表に直接電極を装着したり、脳深部へ電極を挿入して検査する場合もあります。この方法により脳機能の細部を調べることができ、脳機能を温存しながら病変部を切除する手術も可能になります。このように脳表面に電極を設置して計測する脳波検査をECoG(Electro-Cortico-Gram)といい、ECoGにより脳内ネットワークを解析することも可能になってきています。
脳波は神経細胞体のシナプス後電位の集合電位であるということは、今日では一般的な理解ですが、Bergerが脳波を発見した当初は、神経学研究の目的が活動電位であり、それに関連する遅い電位変動は知られておらず、脳波が認められるまでに長い時間が必要だったようです。この頭皮で計測される脳波は脳や硬膜、頭蓋骨などを経由する間に電位の減衰や周波数の変化がおこり、振幅は1/10から1/20と小さくなり、周波数も低くなります。また、頭皮脳波は電極直下の脳皮質6cm2の活動を記録しているという報告もあり2)、脳深部で複数の神経活動が同期して起こらないと頭皮で計測できる脳波にはならないと言われています。さらに頭蓋骨は頭皮の8倍も電気伝導を妨げ、小さな脳波活動は頭皮では計測できないことにもなります。それぞれの電気伝導率は
頭皮:0.33 S/m
頭蓋骨:0.0042 S/m ※S/m : ジーメンス / メートル
となり、さらに頭蓋骨の厚さは一様ではなく、部位によって異なるため、頭皮上で計測される脳波を解析する時には、このことを充分理解した上で結果を判断する必要があります。
ルーチン脳波検査では国際10/20法に基づき、19電極を頭皮に装着します。脳波が臨床検査で使われ始めた当初は、いろいろなグループが独自の誘導で計測してきましたが、1958年にカナダのJasperらが提唱した10/20法が現在では国際的な標準誘導となっています。この19電極間の距離は6~7cmとなり、図からわかるように非常に疎で、これですべての脳をカバーしているとはとても言えません。しかし長い脳波の歴史の中で、19電極による国際10/20法での蓄積された経験やデータがあり、ルーチン検査としては充分目的を果たしているといえるでしょう。しかし、頭皮上の電位分布をマップ表示する場合や信号源推定を行う場合には、19電極では精度の良い結果が得られません。Lantzらは、最低でも64電極、そして128以上の電極を用いなければ精度の良い解析ができないと報告しています4)。128電極では電極間距離は約3cmになります。また、脳波は頭皮だけに広がるのではなく、頭全体まで波及することが解っており、最近は顔にも電極を装着する256電極による高密度計測も広まっています。
国際10/20法は鼻根(Nasion)と後頭結節(Inion)間、および左右の両耳介前点(Preauricular Point)間を計測し、基準点としてここから10%上に上がったところで20%ずつ均等割して、その位置を図のように決めて電極を装着する方法です。
脳波キャップは、基本的には国際規格に従って電極が配列されています。10/20法はルーチン脳波検査でよく使われる電極配列ですが、研究目的の場合は10/20法を拡張した10/10法に従った多電極配列が多く使われています。これ以上多くなると各社でばらつきがあり、128電極や256電極の配列は各社で公開されている配置図を確認する必要があります。
脳波の特徴として安静・閉眼時には後頭部優位にアルファ波が出現し、感覚入力、運動、認知、覚醒状態の変化で周波数成分が変わることが解っています。
一般的には0.5Hzから30Hzの周波数が主体で、それぞれデルタ (δ)波、シータ(θ)波、アルファ(α)波、ベータ(β)波と周波数によって分類されています。おおよその理解としてその違いを記すと、デルタ波は脳機能が充分に完成していない幼児の主要な周波数で、成人では睡眠中に出現します。また、脳に障害がある場合にも見られます。
シータ波は短期記憶や記憶を呼び起こし想像している時に多く出現します。また眠気がある時や周りに注意を払っていない時にも見られます。アルファ波は閉眼時、休息時、瞑想時などリラックスした状態で周りに意識を向けていない時に多く発生します。ベータ波は覚醒時で外界に意識が向いている時や計算問題を解いている時などに出現します。また薬物服用でも増大します。
最近、高い周波数活動であるガンマ帯域に注目が集まっています。ガンマ波はデジタル脳波計の時代になってから研究が進むようになりました。記録紙の時代では周波数の高い、振幅の小さいガンマ波は記録できなかったことも原因の一つです。
また、統合失調症などの知覚刺激や認知課題中では、ガンマ帯域活動の同期性がみられ、その研究も増えてきています。ガンマ波は30Hzから70Hzおよび100Hzまでの周波数で認知的な処理過程で発生すると言われていますが、周波数帯域の定義は未だ曖昧です。最近はガンマ波には低域と高域の2種類が存在するという報告もあり、今後の研究が期待されます。
また、てんかん分野では高周波律動(HFO:HighFrequencyOscillation)がてんかん焦点と関係するという研究が盛んになってきています。SatoらはMSE(Multiscale entropy analysis)法を用いて、てんかん焦点部位がガンマ波の高い規則性を示すと低エントロピーになることを定量化するプログラムを開発し、治療に応用しています6)。
脳波の振幅は神経の同期活動と関係して増減します。つまり同期して活動すれば周波数が揃って大きくなり、同期が崩れるといろいろな周波数の混じった波形となり振幅は減少します。
目をつむると後頭部でアルファ波が振幅を増し、目を開けると減少します。また、計算を行うとアルファ波は減少してベータ波優位になり振幅は小さくなります。
脳波は通常デルタ波からベータ波帯域の周波数の間で診断をされていますが、実は脳で発生している脳波はこれらの周波数成分だけでなく、さらに低い、またはさらに高い周波数成分が存在しています。真のDC成分は電極のドリフトや自律神経系の動きなどにより変化するため、その解釈は難しくなります。そのため低周波フィルタを用いて低周波脳波(SlowComponent EEG)を計測するという研究が多く、その代表的なものとして、京都大学の池田昭夫先生らの研究があります。脳波計の時定数を10秒にして硬膜下電極を用い、難治性新皮質てんかん患者の焦点部位で発作時にゆっくりとした電位変動(便宜的にDC変動ともいいます)が記録できることを証明しました9)。
最近の脳波計にはリファレンスという電極があります。これは「計測の時の基準になる電極」という意味で、システムリファレンスとも呼ばれています。これはデジタル脳波計により新たに誕生した電極で、このリファレンス(Ref)電極を基準としてすべての電極の脳波を記録しています。このように記録することにより、収録後にモンタージュを変更して同じ時間の脳波をいろいろな誘導で再生・比較できるようになります。
このリファレンス電極の場所は脳波計により異なっており、日本光電ではC3とC4の平均値をリファレンスとし、他メーカーではCzやCPzをリファレンスとしている脳波計もあります。弊社ポリメイトではリファレンスの場所を前額部に別途設けるよう推奨しています。 脳波計によってリファレンス電極の場所が異なっていても、例えばC3とA1の電位差を求める場合、その2電極間の電位差は、共通するRefを打ち消すことができ、その結果、C3—A1の2電極間の電位差を求めることができます。
ヒトで脳波がゼロという場所は脳からかなり離れた場所になります。しかし、これでは眼球運動や筋電図そして心電図の影響を受けてしまい、あまり望ましくありません。臨床の場では判読時の基準電極として耳朶を使うことが多く、その理由は頭部の中で比較的脳波の影響がない部位だからです。ところがこの耳朶にも時として脳波が現れる場合があります。それは側頭葉てんかんなど耳朶に近い場所で異常な脳波が発生する場合です。これを耳朶の活性化といい、基準電極として使えなくなります。このような場合、多くは反対側の耳朶を基準とする方法で対処しています。また、耳朶は後頭部のアルファ波の影響を受ける場合もあります。図は耳朶とマストイドに後頭部のアルファ波が波及している様子を示しています。
頭部で脳波のゼロ電位の場所を探す研究は古くから行われており、その代表的な方法は頭部外平均関電極法です。この方法は、理論上では理想的な基準電極ですが、首を動かしたり体位を変えると心電波形が変わり、再調整が必要になります。そのために普及に至っておらず、鼻尖を基準電極とする方法で対処する研究者もいます。
耳朶電極やマストイド電極に波及する後頭部アルファ波
鼻尖を基準電極としてA1(耳朶)とM1(マストイド)電極で記録するとそれぞれの電極に後頭部アルファが混入していることがわかります。
最近、海外メーカーの脳波キャップにM1、M2という電極がついているものが多く見られます。このMはMastoid(乳様突起)を表し、左右の耳朶電極の代わりに使用するためのものですが、耳朶用の電極はキャップに取り付けることができません。そのためM1、M2の位置であれば、予めキャップに電極を取り付けておくことができ、それを耳朶電極の代わりに使うことができるという考えです。
図はA1+A2とM1+M2を基準として脳波をみたものですが、鼻尖基準と比べてO1、O2、Pzでアルファ波の振幅や出現頻度が低くなっています。またFp1、Fp2にアルファ波の出現がみられるのは、基準電極の脳波が影響しているためです。
これらの対策の一つとして、すべての電極の平均をリファレンスとしたAV誘導にすると、耳朶や乳様突起の影響を抑えることができます。
脳波の導出(表示)には基準電極誘導と双極誘導の2つがあります。
脳波判読で最も基本となる誘導は基準電極誘導となり、基礎波や賦活効果の判定に用いられます。通常は左右の耳朶(A1、A2)を基準として判読しますが、時として耳朶電極の活性化が起こる場合があり、そのためにいくつかの基準電極誘導法があります。
1.同側耳朶法(左右の耳朶を基準とする)
2.反対側耳朶法(反対側の耳朶を基準とする)
3.片側耳朶法(左右どちらかの耳朶を基準とする)
4.両側耳朶法(両側の耳朶を連結し基準とする)
5.AV法(すべての電極の平均を基準とする)
6.SD法(記録する電極の周囲4点の平均値を基準とする)
もう一つの方法の双極誘導は、隣同士の電極の差を記録する方法でスパイクなどの焦点を決める場合に多く用いられます。この誘導では脳波の電位は低くなるため、主にスパイクの位相が逆転(phase reversal)する場所を見つけることに特化した誘導と考えた方が良いでしょう。
フィルタの目的は、必要な脳波の周波数成分だけを通過し、それ以外の周波数成分を減衰させることです。
フィルタには遮断特性と波形歪み特性という2つの重要な特性があります。例えば脳波の代表的な周波数である0.5Hz~70Hzの場合、この範囲外の周波数成分をゼロにしたいのですが、実際はゼロにはできません。この範囲外の周波数を減衰させる値を決めるのが遮断特性です(図1)。3dB/octとか12dB/octなどと表記し、その意味は遮断周波数の2倍の周波数でどれだけ減衰するかを表しています(図2)。
医療機器では低域遮断周波数を時定数で表すことが多く、これは直角波を与えた時に低周波フィルタによって減衰していく様子を時間で表現したもので、与えた直角波の振幅が37%まで減衰するまでの時間を秒(S)で表しています(図3)。
一方、高周波フィルタでは振幅が-3dB(30%)減衰したところを遮断周波数として表します。
また、位相についても本来の脳波と変わらないことが理想ですが、もうひとつの特性である波形歪み特性によって、遮断周波数付近で変化してしまうため、この付近の脳波の判読や解析には注意が必要です。
脳波を測定するためのフィルタ設定は低周波フィルタが0.5Hz、高周波フィルタは70Hzが一般的ですが、この範囲の脳波だけを通過するためのフィルタだと思っている人は少なくないと思います。ところが実際はこの遮断周波数以外の脳波も記録されてしまいます。
その理由は「遮断特性」にあります。12dB/Octの傾きを持ったフィルタを使った場合、高周波フィルタが70Hzの場合では、70Hzの2倍の周波数つまり140Hzの脳波が12dB小さくなるだけで、もともとの振幅から1/4にしか減衰せず、フィルタをかける前に140Hzの脳波が10μVあったとすると、このフィルタを通過した時点で140Hzの脳波がまだ2.5μV残っているということになります。70Hzのフィルタをかけたのだからそれより高い周波数はゼロボルトになっていると思いがちですが、そうではないことを覚えておかなければなりません。
誘発電位など加算によって得られる波形に、ノイズが重畳してピークがはっきりしない場合があります。この場合に波形をきれいにする方法としてスムージング法があります。
スムージング法の多くは移動平均が用いられていますが、これには2つの方法があります。
1.単純移動平均法
2.重み付き移動平均法
単純移動平均法は測定されたデータに対して、各点のデータの値を周りのデータの平均で置き換える方法です。高周波成分の雑音の中から低周波の信号成分を抽出するのに有効です。欠点としては平均化するデータ点数を多くすると信号歪が大きくなることです。
重み付き移動平均法は各点に重みを付けて平均化する方法で、代表的な方法としてSavitzky-Golay法(S-G法)があります。これは重み係数を使用するもので、データの特徴を失わず、特に単純移動平均法の欠点であった高周波成分の信号を保持することができるといわれています。
交流ノイズのことを一般的にハム(Hum)といいますが、元々、Humとは蜂が飛ぶときに出す低い「ブーン」という音のことを表します。この交流ノイズが蜂の出す低い音と似ていることからハム(Hum)と呼ばれるようになりました。
交流雑音のハムは50Hzもしくは60Hzのきれいなサイン波として混入することが多いために、50Hzまたは60Hzを減衰させるハムフィルタを用いることできれいにハムがなくなります。ハムフィルタは別名としてノッチフィルタやバンドストップフィルタと呼ばれることがあります。一方、複雑な経路や電磁誘導から混入する交流雑音は単純な周波数とは限りません。よく見られるのは高調波という50Hz、60Hzを基本とした2倍、3倍、4倍の周波数成分を含む雑音です。そのため、50Hzや60Hzのハムフィルタではノイズを除去できません。この場合には100Hz、120Hzなどの高調波を減衰させるノッチフィルタを用いることもできますが、その分本来の信号成分を歪ませることがあるので、むやみにフィルタを使わず、原因を突き止めることが必要です。
脳波に混入するアーチファクトのうち心電図( E C G )や眼球運動(EOG)はその波形がほぼ一定であることから、脳波に混入するECGやEOGの波形をいくつか記憶させておき、その平均的な波形テンプレートを作り、その後脳波からそのテンプレートと酷似した波形を引き算するという方法がテンプレート除去法です。
この方法によりECGやEOGのアーチファクトはかなり減衰されますが、ECGは体位や顔の向きにより波形が変わるため、除去率が悪くなります。日本光電の脳波計では時間経過とともにテンプレートを作り直してECG波形の変化に対応し、除去するプログラムを搭載しています。
また、目視によりこれらのアーチファクトを鑑別するために、ECGやEOGを脳波と一緒に記録しておけば、それぞれに同期して脳波に混入する波形をアーチファクトとして識別できます。一方、EOGと脳波のデルタ波を識別する方法として、目の上下に電極を付け、極性が反転した電位であればEOGのアーチファクトであり、同じ極性であれば異常脳波と判定する方法もあります。
外部環境からのノイズで一番多いのはハムの混入です。このハムノイズはハムフィルタで除去することができますが、ハムフィルタを使う前に以下の対策を試みるのも一案です。
外部環境ノイズは周囲の電源ラインからの静電誘導や装置からの電磁誘導によって混入してきます。これらのノイズは生体や電極リード線からアンプに流れ込むもので、対策としてはアンプに流れ込む前に大地に逃がせばよいことになります。その典型的な方法がシールドルームです。シールドルームは生体そのものにノイズが入らない構造になっていますが、最近はシールドルームの設備が無い場所での測定も多くなってきています。それはアンプの性能が向上したためですが、それでも環境によってはノイズが混入してしまいます。これらの対処方法で基本になるのは「差動アンプの特性」を利用することです。差動アンプはG1とG2に同じ信号が入ると出力に現れないという特性があります。この特性を利用して、G1とG2に同じ大きさでノイズが入るようにリード線を束ねたり、ツイスト状にすることで、ハムノイズを軽減することができます。
ハムフィルタは電源由来の50Hzや60Hzの交流ノイズを軽減するために用いられますが、一方でこのフィルタが生体から発生する本来の脳波を歪ませる場合があります。通常の脳波検査では0.5Hzから30Hzの脳波を対象にしているので50Hzや60Hzのフィルタは脳波にあまり影響を与えませんが、各種刺激に対する脳波の反応を検査する誘発電位検査では時として大きな影響を与えます。MEP(運動誘発電位)やSEP(体性感覚誘発電位)、VEP(視覚誘発電位)の誘発電位は50~60Hz成分を含むため、ハムフィルタを用いることにより、波形歪を起こしてしまいます。一般的に誘発電位検査ではハムフィルタを用いない方が無難でしょう。
図はハムフィルタを使うことによってM波の形が大きく変化する様子を説明しています。
※M波とは中枢および末梢運動神経を刺激して、支配筋より導出される筋電図のこと
フーリエ解析とは「周期的な波として捉えられる現象は全て単純な正弦波の組み合わせで表現することができる」という考えによるもので、時間的に変化する波形を解析する一般的な手法です。
これを脳波に当てはめて考えると「脳波はいろいろな周波数の正弦波が時間とともに増減し、それが合算された波形」といえるので、このような合算された波形を元となるそれぞれの周波数の正弦波に分解する方法がフーリエ解析(フーリエ変換)ということになります。従って、脳波をフーリエ解析すれば脳波に含まれる周波数の成分比が解ることになります。
この計算は多くの過程を経て行うために時間がかかるのが難点でしたが、高速で処理を行うことのできるFFT(Fast Furie Transform)法が開発されてからは、格段に時間が短縮され、脳波の周波数分布を知ることができるようになりました。
脳波を周波数ごとの量としてグラフにしたものがパワースペクトラムです。この周波数ごとに分解することは、1960年代にバンドパスフィルタを用いて行われていましたが、その後フーリエ解析の技術が確立され、一般的となりました。その周波数ごとに分解した結果を積分したものがパワースペクトラムとなります。
このようにパワースペクトラムは脳波を一定の周波数帯域毎に分割して、各帯域毎のパワー(大きさ)を周波数の関数として表したもので、単位は振幅の二乗となります。振幅を二乗しているために、波形を見た視覚的な感じよりもデルタ波など振幅の大きな成分が強調され、アルファ波やベータ波のパワーが小さく見えてしまいます。それを解消するためにμV2で表示される値をルート変換して、元の脳波の振幅(μV)と対比して見えるようにするプログラムが多いです。
パワースペクトラムの周波数分解能は、脳波を解析する時間幅(ウインドウともいいます)によって変化します。時間幅が長いと分解能は細かくなり、短いと分解能は粗くなります。この周波数分解能は解析するポイント数で決まります。例えば1KHzでサンプリングされた脳波を512ポイントで解析すると1ms×512=512msの脳波が必要になり、周波数分解能は1.95Hzになります。周波数分解能をもう少し細かくしたい場合は解析ウインドウを広げ、2048ポイントにすると2048msのウインドウになり、周波数分解能は0.488Hzになります。しかし、被検者の基礎律動を解析するためには、定常性※もエルゴード性※を満たしていなければなりませんが2048msではこれらを満たさないため、もう少し長い時間で解析する必要があります。そのためには2048ms幅の解析を何回も繰り返してそれぞれの結果を加算して長時間の結果とします。例えば30回繰り返すと2048ms×30で約61秒間の脳波をパワースペクトル解析できることになります。
時間幅(ウインドウ)と周波数分解能の関係は以下になります。
時間幅=N/Fs (N:解析ポイント数 Fs:サンプリング周波数)
周波数分解能=1/時間幅
※定常性とは解析区間内では脳波が突然変化することなく安定している状態
※エルゴード性とはどの区間の脳波を解析してもその人の脳波を代表する状態
解析ポイント数と周波数分解能
サンプリング周波数200Hzの脳波をAは1024ポイント、Bは512ポイントで解析した結果、AとBで周波数分解能が違うことがわかります。
Aの解析時間幅:1024ポイント÷200Hz=5.12秒
Aの周波数分解能:
1
5.12秒
=0.195Hz
Aの解析時間幅:512ポイント÷200Hz=2.56秒
Aの周波数分解能:
1
2.56秒
=0.39Hz
脳波をスペクトル解析する場合には、定常性を確保する範囲で脳波の一部を切り出してフーリエ解析をします。その場合に2つの問題があります。ひとつは切り出すデータ長をどのように決めるかということです。
切り出す脳波が短いと周波数分解能が低くなり、粗い周波数の変化しか解析できないため、細やかな周波数変化を解析するためには、切り出す脳波を長くする必要があります。
もうひとつは、切り出した脳波の両端の影響です。通常切り出した脳波の最初と最後はゼロから始まりゼロで終わりません。
つまり切り出した脳波の最初と最後には段差があります。これは元の脳波にはなかった急峻な脳波が現れることになり、高い周波数成分が誤差として発生します。この影響を抑える目的でさまざまな窓関数を用いて重みづけを行い、両端の影響を少なくする方法が考案されています。このことを「窓関数をかける」または「ウインドウ処理」と言います。
切り出ししたウインドウ(以下窓)の両端の影響を少なくするにはいくつかの方法があります。
ハニング窓は両端がゼロから始まりゼロで終わるようになっているため、連続した波形として処理されます。しかし、その分、両端のデータは歪められます。
ハミング窓は特性がハニング窓に似ていますが、両端はゼロにはなっていません。切り口の影響が少し残り、その部分が本来の信号にない成分として結果に表れてしまいます。
ブラックマン窓はハニング窓のように両端がゼロになるようになっていますが、その分、本来の波形がかなり歪められます。
レクタングル窓(方形窓)は切り出したままのため、両端の影響を大きく受けます。
図は0.2Hzで最大振幅10、0.9Hzで最大振幅1、2.1Hzで最大振幅1の3種類の正弦波を4つの窓関数でスペクトラムを求めたものです。
このようにそれぞれ長所と短所があります。脳波のように広い周波数成分を含むような波形にはハニング窓かハミング窓が適しているでしょう。
ブラックマン窓は解析対象の波形の周波数が近接していない場合に、小さな周波数成分まで検出できるメリットがあり、レクタングル窓は両端の影響を強く受けますが、周波数分解能に一番優れています。
このようにそれぞれ目的に応じて、窓関数を使い分けることが必要です。
パワースペクトラム解析では、ある区間の脳波をまとめて周波数情報に置き換えるため、時間に関係する情報は失われてしまいます。言い換えれば、時間とともに変化する脳波の様子を表すことはできないことになります。
例えば脳情報処理に関連して短時間に変化する脳波を調べる時は、時間とともに変化する脳波の周波数を知る必要があります。
この目的で行われる解析を時間周波数解析といいます。時間周波数解析にはいくつかの方法があり、古くはウエーブレット(Wavelet)解析が有名です。このほかに短時間フーリエ変換(STFT)やMBFA法、CD法があります。
時間周波数解析の表示方法として、DSA(Density modulatedSpectral Array)表示があり、刻々と変化する脳波を表示することができます。
一方、長時間に及ぶ脳波の変化を解析する方法として、FFT法を用いたCSA(Compressed Spectral Array)表示があり、ゆっくり変化する脳波の変化を見るのに有用です。
フーリエ解析では、それぞれの周波数成分を抽出するため、「さまざまな周波数のsin波とcos波」に分類します。これに対して、ウェーブレットでは、たった一つのマザーウェーブレット(別称:基本ウェーブレット)というテンプレートを使うだけです。一般的に脳波では、その中のモルレー(Morlet)ウェーブレットを用いています。そしてこのテンプレートをいろいろなサイズに伸縮し、脳波の中にテンプレートに似た成分がどれくらい含まれているのかを平行移動させながら解析し、時間と周波数の情報を同時に得ていきます。このようにウェーブレット法は決まったテンプレートを伸縮するために、低い周波数はテンプレートを大きく広げ、高い周波数はテンプレートを狭くすることになります。このことは高い周波数ではテンプレートが縮まるために周波数分解能は低く、低い周波数ではテンプレートが広がるために周波数分解能は高くなります。逆に時間分解能は高い周波数で高く、低い周波数では低くなります。
このように、ウェーブレット法は解析する周波数によってテンプレートの時間幅が異なるため、それぞれの周波数の量的比較はできません。この問題を解決するために短時間フーリエ解析やMBFA法、CD法を用いた定量的に解析する方法があります。
時間周波数解析の方法としてウェーブレット法を補完する方法が短時間フーリエ解析です。ウェーブレット法は周波数によって分解能が異なるという欠点を持っているため、その点を補う方法として解析に用いる時間窓を固定して短時間毎に信号を切り出し、フーリエ変換する方法が短時間フーリエ解析法(STFT :Short Time Fourier Transform)です。
STFTでは、時間変動に対する精度( 時間分解能) を良くするために取り出す時間窓(時間長)を短くする必要がありますが、それに応じて周波数に対する精度 (周波数分解能) は悪くなります。このように周波数分解能と時間分解能にはトレードオフの関係があるため、時間窓の決定には注意を要します。
そのために、時間窓は固定して解析する位置をずらすなどの工夫をして必要な周波数分解能を保ったまま時間分解能を良くする方法もあります。
MBFA(Multi Bandpass Frequency Analysis)法は、周波数の異なるバンドパスフィルタを用いて脳波を分離し、分離した全ての帯域において指定した時間幅の平均振幅を求めます。抽出する時間幅が波長の幅より短い場合は、波形の山と谷から平均振幅を求めます。この方法は2003年にGram社の浅野氏が考案した方法で、Ochi、Otsuboらがてんかん患者のHFO解析に応用して報告しています15)。
MBFA法がバントパスフィルタを用いてそれぞれの周波数成分に分離してその振幅変化を求めるのに対して、CD法は脳波がそれぞれの周波数によって変調(AM変調)されていると仮定して、知りたい振幅変化の周波数を与えて復調(Demodulation)する方法で、2010年にのるぷろライトシステムズの大木氏が脳波に応用したプログラムを開発しました。
MBFA法はフィルタを用いて分離しているために周波数の分離はフィルタ特性に依存しますが、CD法は周波数を決めて復調という方法で分離するために周波数分解能に優れています。
MBFA法とCD法はウェーブレット法と比較して、解析時間幅を周波数とは関係なく同一に決められるため、周波数間の比較が定量的に行えます。
脳波の同期現象は脳部位間の情報統合過程に関係していると考えられ、脳内ネットワークを形成するConnectivityの研究に応用されています。そのため、2組の脳波の関連度合を0(=まったく関連無し)から1(=完全に関連)までの値で周波数別に示したコヒーレンス解析が必要となります。
その関連度合には周波数と位相がありますが、主に周波数別の振幅関係を計算してコヒーレンスを求める場合が多く、2組の脳波のクロススペクトル密度関数とそれぞれの脳波のパワースペクトル密度関数によって計算されます。
コヒーレンスの応用は各電極間や左右の同じ部位で比較したり、また周波数帯域を設定して比較するなど目的によってその方法が選択されます。
また、部位間の周波数の関連度合とは別に、位相の関連性を解析する方法としてPLV(Phase Locking Value)法があります。
図はO2電極と各電極のコヒーレンスを計算した結果でP4、T6電極ではあらゆる周波数で相関が高く、T5はほとんど相関が認められていません。F3、F4、C3、C4、P3、F7、F8、T3、T4ではアルファ波帯で相関が高いことがわかります。
事象に関連して変化する脳波解析の中で、特定の刺激に同期して変化する脳波を解析する方法として平均加算法があります。この平均加算法は施行間で位相が揃って反応する場合はN回の刺激でN倍の大きさに成長させることができ、1回ごとは微弱な信号でも反応波は見えてきます。図1は位相が揃っているPhase Lock成分をトリガ毎の誘発反応波を加算し、その加算波形を時間周波数解析し、DSA表示したものです。
位相が揃っていないInduce成分は加算途中で打ち消しあって本来の反応波として記録できなくなります(図2)。その場合に利用できるのが時間周波数解析で反応波としてではなく、刺激に対する脳波の周波数変化を捉えることができます。事象関連電位の研究では、それぞれの課題で反応時間がばらつく場合があり、加算法では反応波として振幅が成長しなくなりますが、時間周波数解析を用いれば、周波数の変化(ERSやERDといいます)を確実に記録に残すことができます。このように位相が揃っていないInduce成分をトリガごとに時間周波数解析をし、その結果を加算し、DSA表示することができます(図3)。
多次元信号の解析手法として主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)と独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)があります。これらは脳波成分とノイズ成分とを分離するのに用いられることが多く、その解析方法は異なります。PCAでは脳波を含む複数信号成分が混入(眼球運動や心電図などのノイズ)した信号の中から、分散の大きなものから順に成分を取り出し、ノイズ成分を同定して分離します。一般的に眼球運動などは分散も大きく、エネルギーも大きいために第一成分になりやすく、この成分を削除することで眼球運動などを消すことができます。
一方、ICAは信号の時間的な相関に基づき独立性により分離するもので、ノイズ成分の分離に用いられるばかりでなく、脳波に含まれる様々な信号源を分離することも可能になります。
いずれの方法も頭皮上電位マップと組み合わせて確認ができるために、成分を分離するのに役立ちます。
図は眼球運動のアーチファクトを含むP300のオドボール刺激を行った脳波にPCAを用いて眼球運動を除去し(PCA1成分)、その脳波に対してICAを行い、ICA1成分だけを加算したP300の結果です。
頭皮上の脳波や脳磁図から、その発生源を求めることを信号源推定といいますが、脳波を用いて信号源を推定する場合には、いくつかの考慮すべき点があります。
その第一は脳波は頭蓋骨などを経由して記録されるために、大きく減衰されていることです。
その上、部位によって減衰の度合いが違うということです。また、電極の位置を正しく計測していないと、正しい結果を得ることはできません。
信号源推定にはダイポール型と電流源分布型の2種類があります。
ダイポール型は脳内に1つ(または複数)の電流源を仮定して、その電流源によって脳表で発生する電位分布と、実際に脳表で測定した電位分布の二乗誤差が最小になるように電流源の位置や方向を決める方法です。
電流源分布型は、脳を空間的3次元の格子点で区切り、それぞれの格子点にダイポールを仮定し、評価項目を設定して脳内の電流源分布を推定する方法です。
評価方法の種類によって最小ノルム推定(MNE法)、LORETA、sLORETA、Beamformerなどの手法があります。
てんかん患者の発作の原因となる焦点を探す方法として、最も多く用いられているのがダイポール型推定方法です。MEG(脳磁図)に比べて推定精度は劣りますが、後に述べる適切な推定条件を選ぶことで、臨床の現場で簡便に使用することができます。
ダイポール型推定の解析手法をSpikeを例にとって説明すると、先ず記録されたSpikeの頭皮上での電位マップを作成し、次に脳内位置に複数のダイポールを仮定したときに、頭皮上で計算される電位マップをそれぞれ作成します。このマップと実際計測されたSpikeの電位マップとの誤差を求めます。脳内の仮定位置を次々と移動して、それによるマップとの誤差が最小になる部位をもって推定結果とする方法です。脳内に仮定した位置から頭皮マップを求めることを「順問題を解く」といい、実際に計測された頭皮マップから脳内信号源を推定することを「逆問題を解く」といいます。
この推定法にはいくつかありますが、以下が代表的な方法です。
最小ノルム推定(MNE法)は信号源の活動領域・分布を示すのに優れた解析方法ですが、脳内に設定した各空間格子の電流源分布の小さいものを優先的に推定するために、脳表面の信号源に適しており、逆に深部の推定には適していません。
重み付き最小ノルム推定(wMNE法)はリードフィールドに重み付けを行い、検出点に影響の強い電流源を最小化して、影響力の弱い深部の電流源を推定し易くする方法です。
LORETA法はPascual-Marquiらによって開発された方法で、重み付き最小ノルム法を基本として、隣り合う格子は互いに関係しあって活動しているという考え(ラプラシアンフィルタ)に基づいています。LORETAを発展させたsLORETAは6339個のボクセルを使用しており、精度が向上しかつ標準化され、単一双極子の推定も可能になっています。
信号源推定は既知の情報をもとに未知の情報を探るというものです。脳波の場合は頭皮で計測される脳波と頭皮に取り付けた電極位置情報(3次元的な座標位置情報)だけが既知の情報です。これ以外の推定に必要な条件はあくまでも仮定情報です。その中でも重要な仮定は頭部モデルです。
頭部モデルとは頭の形状と内部の電気伝導率のことで、大きくは3つの仮定があります。
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1.球体モデル
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2.境界要素モデル(BEM)
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3.有限要素モデル(FEM)
球体モデルは頭蓋を球体と考え、しかも頭を電気伝導率が異なる3つの層(脳、髄液、頭蓋骨)から構成されていると仮定しています。
このモデルは計算が簡単で時間的にも早く結果が得られますが、その分他の2つのモデルと比べて精度が劣ります。それに対して境界要素モデルと有限要素モデルは実形状モデルとも言われ、頭の形状をMRI画像から作成し個人の頭の形状で計算が行われます。境界要素モデルでは形状を個人脳にして電気伝導は球体モデルで計算しています。
これに対して頭の中は全て同じ電気伝導率ではなく、場所によって異なるという考えを取り入れたのが有限要素モデルです。この方法は正確な結果が期待できますが、その分計算が複雑で膨大な時間がかかります。そのため、臨床の場では実用的ではなく採用されにくい方法となります。
有限要素モデル(FEM:Finite Element Model)はMRI画像により、脳組織を分類し、それぞれの組織の電気伝導率を考慮して信号源を推定しますが多くの場合、電極は頭部だけに装着されているために、脳底部で発生するスパイクなどの脳波は計測することができません。この脳底部の脳波は顔面の電極から計測できることが解っており、頭部だけでなく顔面の電気伝導率も考慮して信号源を推定する方法が有限差分モデル(FDM:Finite Difference Model)です。
FDMはCT画像から頭蓋骨の厚みを計算し、顔面と併せて伝導率を導き信号源推定を行います16)。
EGI社の256chセンサーネットは顔面まで高密度に電極が配置されており、顔面電極から脳底部や側頭内側部などの電位も計測できます。この高密度のセンサーネットとFDMを採用した同社の信号源推定プログラム「GeoSource」を併せて活用することで、より正確な推定結果を得ることができます。
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2022年6月
白澤 厚
株式会社ミユキ技研 顧問
このレポートは、弊社発行の冊子「数式を用いない 脳波解析入門」の内容を載せたものです。