バニラアイスが嫌いな車
「目に見えて明らかなことが常に解決策であるとは限らず、
どれだけ不思議に見えても事実は事実に過ぎない」
ウォータールー大学 コンピューターサイエンス学部
スティーブン・マン教授による不思議なエピソードがあります。
自動車メーカー・ゼネラルモーターズ(GM)のポンティアック開発部に
以下のようなクレームが寄せられました。
「いつも夕食後にアイスクリームを食べています。
しかし新しいポンティアックを購入してから
バニラアイスを買った時だけ、車が動きません。
他のアイスだと車は問題なく動きます。
バニラの時だけポンティアックが動かないのは何故?」
これに対し開発部はユーザーの家に泊まりこみ、
本当にバニラアイスの時だけ エンジンがかからないことを確認しました。
結果 わかったのは、バニラアイスだけ店頭に用意があるため提供時間が早く
ストロベリーやチョコはバックヤードから提供するため時間がかかることです。
原因は「ヴェイパーロック現象」が原因でした。
液体が加熱されて生じた泡によって液体の流れが悪くなってしまう現象で
揮発性の高いガソリンの中に気泡が発生してしまうとヴェイパーロック現象が発生し、
エンジンが動かなくなってしまうことがあります。
提供までに時間のかかるチョコやストロベリーは
その間にガソリンが冷却されていたのですが
提供時間の早いバニラアイスの時はガソリンが冷えないため
ヴェイパーロック現象が起こってしまっていたのです。
マン教授はこのエピソードの教訓として
「常識とはかけ離れているように見える問題であっても、
時には真実を映し出していることがあります」と述べています。
記・三代川
2020年7月6日