クジラを海に帰す
1月に大阪湾に迷い込んだマッコウクジラが大変話題になりました。
淀ちゃん 等とよばれたそのクジラは結局大阪湾で亡くなりました。
そのニュースを見た時 クジラをどうするのがいいか
有識者たちが散々話し合っていたのですが
標本にする 砂浜に埋める、、、結局海に戻すことになりました。
死骸は船で紀伊半島沖に運ばれ、水深約1300ⅿの深海に沈められました。
骨の形が分からなくなるまで分解されるには
少なくとも10年以上かかるそうで、
最初に深海のサメやアナゴの仲間、甲殻類などが集まり、
数か月~1年かけて腐肉を食べます。
その後、骨だけになった死骸にゴカイ類の「ホネクイハナムシ」が群がり、
数年かけて骨を分解するそうです。
さらに、骨に残された有機物が細菌に分解されて硫化水素やメタンが発生し
硫化水素を利用する細菌と共生する貝なども密集します。
こうした過程で育まれる生物は、少なくとも100種類以上とのことです。
栄養が極めて乏しい深海にすむ生物にとってクジラの死骸は
『2000年分の食べ物』になるそうです。
海で生まれて海で死んでいく、自然の摂理ですね。
海に戻す は海の生態系にとっても良い選択でした。
記・三代川
2023年4月12日